アリゲーター A-6

アリゲーター A-6の特徴

個性的すぎるデザインで、珍車とも呼ばれるバイクがアリゲーター A-6です。
このバイクはアメリカのAARが開発したオートバイで、どこが珍車なのかというと、主にシート位置が極端に低い位置に設置されている点です。
なぜこんなデザインにしたのか、その理由はアメリカのオートバイレーサーであるダン・ガーニーが関わっているからです。

ガーニーは身長が高く、一般的なバイクでは目線が高すぎて安定した走行がしにくいという問題を抱えていました。
この問題を解決するために開発されたのがアリゲーター A-6で、シートはおそらくどのオートバイよりも低い位置に設置されています。
見た感じは車のシートのような形状で、このような形状にすることで重心を低くすることができ、結果としてツーリング時の安定性を向上させることができます。

シート形状からすればクルーザーバイクに分類されそうな気がしますが、形式上はスポーツバイクです。
実際、レースにも参戦してきた過去を持つ異色のモデルとも言われています。
最高速度はなんと約260キロですから、確かにスポーツバイクといっても過言ではありません。

これだけの加速性能を引き出すため、ボディは軽量化を図っています。
フレームには軽量な素材を使用し、剛性を高めたトレリスフレームを採用しています。
ホイルベースを長く取ることで、走行安定性を確保できるように配慮されています。
サスペンションなどの足回りはホンダのパーツをそのまま流用する形をとっているため、乗り心地としてはホンダのオートバイを操縦しているような感覚です。

特徴的なシートに実際に腰をかけてみると、バイクのシート位置が低すぎるので、足がすぐに地面についてしまいます。
そのため、足は前に投げ出す姿勢でステップにかけて運転をします。
ライドポジションが低くなるので、最初のうちは運転しにくいかもしれませんが、慣れてくると意外と運転はしやすいのだそうです。

エンジン性能を見てみよう

アリゲーター A-6のパワートレインは、ホンダが供給する680cc水冷式4サイクルエンジンです。
ホンダのもともとのエンジンを改造しさらにパワーを出せるようにチューニングされており、最高出力は70馬力で加速フィールがよく快適なツーリングができるように設計されています。

4サイクル単気筒エンジンは、低速および中速でトルクが感じられるようになっています。
そのため、一般的な市街地のツーリングにも適しているという意外な一面を持ち合わせています。
ただ、生産された台数が圧倒的に少ないため、希少価値が高く、市場でもなかなか目にすることができない幻のようなバイクです。
もし見かけたらラッキーかもしれません。